工芸品 / 飛鳥
-
飛鳥
- 四部より成り、基壇部の上に方柱状の須弥座を立て、その上に中台を置き、これに宮殿を安置する。宮殿は、単層入母屋造で、正面と両側に扉を付し、方柱・雲肘木を用い、屋根は錣葺で鴟尾を上げる。外面は黒漆で木口、柱、桁、框などは、透彫の金銅金具を張り、そのしたには玉虫の羽を伏せる。宮殿内部は金銅押出千仏が張られている。正面扉には、二天像を、左右扉は各二菩薩を、後ろ壁には多宝塔を漆描で表す。須弥座は正面に舎利供養図を、右側に捨身飼虎図、左側に施身聞偈、後面に須弥山図を表し、いずれも各色の漆で描いている。
- 総高233 (㎝)
- 1基
- 重文指定年月日:18971228
国宝指定年月日:19510609
登録年月日:
- 法隆寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
主尊の安置と荘厳が一体化した信仰の結晶である。図案的構成や、細部の技法などに中国六朝時代の遺品に通じる部分があり、飛鳥時代の様式を示す、建築や木工、金工、漆工等の総合製作で、それぞれの優れた技法が渾然と融合された最も傑出した遺品である。