工芸品 / 飛鳥
-
飛鳥
- 切刃造、丸棟、内反りごころの直刃。鍛はよくつまり小板目に柾ごころを交え、地沸よくつき、刃文は細直刃、浅く湾れごころあり、匂深小沸よくつき、小足入り、刃区から焼出している。帽子は直ぐに焼詰となり、指表腰元に四文字を漢篆をもって金象嵌する。茎は生ぶ、無反り、鑢目不明(恐らく槌目仕立)。茎先は懸通しの孔があったのが腐朽欠損して現状では半月形となる。
- 刃長65.8 元幅2.5 先幅1.7 鋒長1.6 (㎝)
- 1口
- 重文指定年月日:19120903
国宝指定年月日:19520329
登録年月日:
- 四天王寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
寺伝では聖徳太子の剣という。古くは「丙毛槐林」とし、丙毛は蘇我馬子、槐林は大臣の意であると伝えているが、江戸時代には、「丙子椒林」で丙子は干支で制作年を示し、「椒林」は作者であろうと指摘されている。
いずれにしても、本剣については諸説あり後考を待つものである。しかし、わが国に伝世する上古刀として、これほど優れた出来であり、しかも完存していることは稀有である。