染付松樹文三脚皿〈鍋島/〉 そめつけまつじゅもんさんきゃくさら〈なべしま〉

江戸

  • 東京都
  • 江戸 / 1601-1700
  • 鍋島焼の染付皿である。白磁胎を轆轤成形した円形皿で、腰から口縁にかけて張りのある曲線を描いて立ち上がる。底には大きな蛇の目高台を低く削り出し、高台外側の三方には葉形の脚をつける。高台底部を除いて全面に透明釉を掛けるが、露胎部には針積みの目跡が内側に九個、外側に十三個それぞれ環状に残る。
     文様はすべて染付で、内面には枝を張る松の大樹を口縁に沿って描き、見込みの中央に空白を残す。丸く描いた松葉は細線を墨弾きで白抜きし、幹や枝には薄い濃染を施す。外面には、染付で小賀玉木風の折枝文を三方に配し、花は淡く葉は濃く描く。三脚の外面には濃染を施し、高台外周に染付の二重圏線を巡らす。
  • 高7.6 口径29.5 高台径19.6(㎝)
  • 1枚
  • サントリー美術館 東京都港区赤坂9-7-4東京ミット゛タウンカ゛ーテ゛ンサイト゛
  • 重文指定年月日:20001204
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 公益財団法人サントリー芸術財団
  • 国宝・重要文化財(美術品)

本皿は、低く削り出した高台の際に、型抜きによる脚をつけた鍋島焼通有の三脚皿である。胎土には最上質の白磁胎が用いられ、見込みの図は純白の地に図案化された松樹がくっきりと浮かび上がり、図様は細く澱【よど】みのない染付の線描きと、むらのない濃染めにより巧緻で簡潔に表現される。
 本作品は、完璧な技巧を駆使して品格の高い完成された優美な作風をみせる盛期の染付尺皿の代表作で、鍋島焼の染付技術の最高峰を示す遺例である。

染付松樹文三脚皿〈鍋島/〉

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