春日若宮おん祭の芸能 かすがわかみやおんまつりのげいのう

民俗 無形民俗文化財

  • 選定年月日:19751208
    保護団体名:春日古楽保存会
  • 記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財

 通称「おん祭」の芸能で、十二月十五日から同十八日の春日大社の摂社である春日若宮社(奈良市春日野町)の例祭(本来は臨時祭)に奉納される。日本の芸能の源流を示唆する内容をもった規模の大きい祭であり、芸能史的に重要な位置を占める祭の芸能である。
 十六日午後、田楽・願主・流鏑馬一行の宵宮詣、田楽奉奏の式などがあり、若宮で神迎えの儀の後、道楽を奏しながら御旅所【おたびしょ】への渡御がある。十七日午前、本殿祭があり、午後になって興福寺からの行列が影向【ようごう】の松の下に通りかかると、細男【せいのう】・田楽・猿楽などの各芸能座がそれぞれ持芸の一くさりを松に対して奉るという松の下御渡式がある。また、神前芝舞台で夜更けまで東遊【あずまあそび】、田楽のささら・刀玉【かたなだま】・高足【たかあし】・比擬開口【もどきかいこう】、細男、舞楽、猿楽、倭舞【やまとまい】などが次々と演じられる。終わって若宮本殿への還幸式がある。明けて十八日になると金春【こんばる】一座により後宴の能がある。

春日若宮おん祭の芸能

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