侯爵鍋島家本邸で使用されていた洋食器で、スープ鉢やソース入れ、パン皿や肉皿、果物台鉢など22種。上絵の赤・紫・緑・黄・茶・青緑に金彩を加え、水仙・菊・柳・牡丹・菖蒲・梅などの草花を絵付けしている。高台内には「肥前有田平林製」の上絵赤銘とあり、有田大樽窯の平林伊平により作られたことがわかる。平林伊平は明治2年(1869)頃には長崎に居留する外国人医師の注文で西洋食器の揃い物を製作し、同5年には横浜本町に支店を開設して有田焼の貿易を開始したという。種類の豊富なこと、上絵付の斬新さは100年以上の時を感じさせない。
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