絵画 / 南北朝
良全はわが国初期水墨画史上、重要な画人で、遺例も数点知られているが、彼の閲歴については明らかでない。本図は乾峯士曇【けんぼうすどん】の賛詩により製作年代をほぼ推定しうるもので、良全画の基準作としてきわめて重要である。剣をとり獅子に坐す文殊の姿を描いたもので、中国画摂取につとめた時期をすでに脱し、気品のある清爽な、かつ落ち着いた画境を形成している点、良全画中の基準的作例であるのみならず、水墨画史上の重要な遺例というべきであろう。
絹本著色釈迦三尊図〈良全筆/〉
良全
絹本著色仏涅槃図〈良全筆/〉
絹本淡彩騎獅文殊像