工芸品 / 鎌倉
- 京都府
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鎌倉 / 1236
- 面盛りが極めて薄く、面縁の鎬が鋭い毅然とした形態の鰐口で、耳は方形に近い形の片面式、目、唇の厚みと出は極少ない。表面は一條の圏線をめぐらした撞座区を中心に、次に二條の圏線をもって内区をつくり、素都区を銘帯として周に二條の圏線をもって囲ってある。撞座区は中に八葉の蓮弁を篦押しで鋳出すが、蓮花は五個の小さい果托を中央にして周囲に蕊をめぐらし、花弁は四弁の間にもう四弁をのぞかせる重弁式になっている。銘文は篦押しのかなり高い陽鋳であるが、剥落箇所があって難読文字が多い。
他面は各二條の線で撞座区と内区、外区に分け、撞座区には撞座を造らず銘文もない。
- 面径26.2 肩厚7.8 総厚11.0 (㎝)
重量486.7(g)
- 1口
- 京都国立博物館 京都府京都市東山区茶屋町527
- 重文指定年月日:19570219
国宝指定年月日:
登録年月日:
- 清水寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
現存する鰐口で紀年のあるものは、極楽寺長保二年を最古とし、長谷寺の建久三年のものなどがある。本鰐口は形状簡潔で撞座の表現は朴雑、銘文は鉄鋳物独特な風趣に富む。鋳鉄品の中でも優れた作で、資料的価値も高い。