鰐口 わにぐち

工芸品 / 鎌倉

  • 鎌倉 / 1293
  • 1口
  • 重文指定年月日:19680425
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 大高山神社
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 鰐口は神社仏閣の堂前の廂の下にかけられ打ち鳴らされるもので、金鼓とも呼ばれている。ここにあげた二口は、共に鎌倉時代の大形の部類に属するもので、その形姿、特徴は、対照的である。
 前者は、肩が厚く角が強く張り、面は甲盛りが低く、八葉複弁の撞座【つきざ】だけを肉高に鋳出した豪壮な形姿で、その銘文中に「鰐口」と刻銘された初見例でもあって、貴重な資料である。
 後者は、肩が中央に高く鎬【しのぎ】が立ち、面は豊かに甲盛りがつき、八葉複弁の撞座を中心に二条の圏線を三か所に、耳は片面出しで、総体に技巧に富んだ大作で、右肩に「浄福寺金口 文永十年云云」の刻銘があり、総体の形姿のよい鎌倉時代(文永十年-一二七三)の典型的な優作である。

鰐口

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