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天文九年(一五四〇)十一月に卜部兼右が書写した日本書紀で、巻第三神武天皇紀から第三十持統天皇紀に至る二十八巻を完存している。体裁は袋綴冊子本で、料紙は斐交り楮紙に墨界を半葉八行に施し、首尾題を掲げ、本文を一行十五字、註双行に書写し、文中には朱墨の書入が著しく、欄外には註記、考証が付されている。各巻末の奥書によれは、この兼右本は卜部家諸本によって本文を校合し、訓読、釈義等の秘説を集成、註記したものであって、兼右は此本をもって卜部家の証本に擬し、その家学を再興しようとしたことが判明する。
日本往生極楽記
先代旧事本紀
大鏡〈巻第二、五、七/〉