先代旧事本紀 せんだいくじほんぎ

歴史資料/書跡・典籍/古文書 その他 / 室町

  • 奈良県
  • 室町 / 1521~1522
  • 5冊
  • 天理大学附属天理図書館 奈良県天理市杣之内町1050
  • 重文指定年月日:19850606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 学校法人天理大学
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 『先代旧事本紀』(十巻)は、平安時代前期に成立した偽撰の史書で、神代から推古天皇の代までを記している。『古事記』『日本書紀』等に見られない独自の所伝によって書かれている部分もあり、古代史研究上に注目される史料である。
 この天理大学本は、ト部兼永(一四六七~一五三七)が大永元年(一五二一)から同二年にかけて書写したものである。体裁は袋綴装で、分装は一冊に二巻ずつを収め五冊からなる。各冊とも表紙は黒色紙で、淡緑色の題簽紙に外題を墨書している。本文は楮紙に半葉八行、一行十五字に墨界線中に整然と書写しており、全帖兼永の筆になる。巻第三および巻第九に書写奥書があり、巻第三は大永元年九月十五日、巻第九は大永二年正月七日とそれぞれの書写年時を明らかにしている。また両巻の本奥書によれば、その祖本は安貞二年(一二二八)頃にト部兼頼が書写し、兼文、兼方らが披見したト部家相伝の秘本であった。
 『先代旧事本紀』は現存する古写本が少なく、この天理大学本は完本としてその現存最古本であり、古代史研究上に貴重である。

先代旧事本紀

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