この芸能は、長崎県西彼杵郡野母崎町野母に伝承されるもので、神社寺院に奉納する踊と海上浦祭とが一体となった規模の大きい風流の一種である。
由来では、この地を開いた熊野の漁師夫婦の老婦を記念し、その霊を慰めるために行なわれるようになったともいわれる。
奉納踊は、熊野神社・海蔵寺など十か所で踊られ、鉾舞・もつせー・中老・とのぎやんの曲目で進行する。男の子の踊るもつせーには十六曲、おとなの踊る中老には十八曲の小歌がつき、とのぎやんでは道太鼓・庭太鼓・七五三の太鼓拍子が奏される。
また、浦祭では船上行事として樽納め・七五三・稚児の舞が展開され、盆行事の芸能として地方的特色の豊かなものである。公開は旧七月十七日。