絵画 / 明
張路【ちようろ】は、大梁(河南省開封県)の人で、字を天馳【てんち】といい、平山【へいざん】と号した。淅派【せつば】の代表的画家で、呉偉【ごい】後の第一人者と目され、その山水画は戴進【たいしん】の風致があると評されている。筆法は遒勁【しゆうけい】で、そのために呉派の文人からはたびたび非難の対象となったが、描写力はきわめて高いものがある。本図は南宋院体山水画の構図法を学んだ作品であるが、その表現描写は優れ、漁夫の網を打たんとする緊張の一瞬がよくとらえられている。彼の代表作の一つにあげられる。
風雨帰漁図軸
張路筆
絹本墨画山水図〈張瑞図筆/崇禎四年の年記がある〉
張瑞図
絹本墨画淡彩高士遠眺図