久米島紬 くめじまつむぎ

工芸技術 染織

  • 指定年月日:20040902
  • 重要無形文化財

久米島紬は、沖縄県の久米島に伝承されている絹織物の製作技術である。久米島では一五世紀ころにはすでに養蚕が行われていたとみられ、一七世紀に琉球王府への貢納布【こうのうふ】に定められて以来、養蚕から製織に至る各工程に改良が加えられ、御絵図【みえず】柄に代表される絣【かすり】のほか縞、格子などの織物の製作技術が高度に発達したと考えられている。
 現在の久米島紬の製作技術は、王府時代以来の伝統を保ち、養蚕、糸作り、手くくり絣、天然染料による染色、手織り等、手作業による古来の技法を伝える。なかでも原材料と染色に大きな特色があり、すべて天然の材料が使用されており、かつ、そのほとんどが島内産である。養蚕および桑の栽培は一時中断していたが近年再び行われ、技術の伝承が図られるようになっている。久米島紬は、芸術上価値が高く、工芸史上重要な地位を占め、かつ、地方的特色が顕著な染織技術である。

久米島紬

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