仙道古墳 せんどうこふん

史跡 古墳

  • 福岡県
  • 朝倉郡筑前町
  • 指定年月日:19780506
    管理団体名:
  • 史跡名勝天然記念物

S53-06-019[[仙道古墳]せんどう古墳].txt: 筑後平野の北部、朝倉山塊から南に派出する阿弥陀ヶ峯丘陵の山麓には約50基の円墳からなる阿弥陀ヶ峯古墳群が形成されている。仙道古墳は、この内、平野部に営まれた最大の円墳である。圃場整備事業に伴い、昭和52年、福岡県教育委員会が発掘調査した結果、2段築成の整美な墳丘をもつものであったことが判明した。墳丘斜面には葺石をもち、直径約33メートル、現存高約4メートルをはかる円墳で、その外側に幅2〜3メートル、深さ約1メートルの溝を二重にめぐらしている。外濠までを含めた直径は45メートルにも達する。本墳の主体部は南西に開口する横穴式石室であり明治時代に盗掘され、天井石等は持ち去られていたが、その全形はほぼ推察できる状況であった。玄室は墳丘中央にあり、幅2.4〜2メートル、長さ3メートルをはかり、高さは壁面の2メートル以上が残り、床面には偏平石と小円礫を敷き、美しく飾っている。途中に板石を立て並べて室内を前後に仕切っている。石室の奥壁、袖石、仕切り石には同心円文や三角文の装飾が赤や緑の顔料で描かれ装飾古墳の典型を示している。
 この古墳からは、玉や釧等の残存が出土し、墳丘の外周部分からは完形の盾持ちの武人形埴輪や馬形埴輪等の形象埴輪がみられ、6世紀に属する古墳であることが判明した。
 本古墳は、二重の周溝をもち、埴輪を樹立するこの地域の大型円墳であり、単にこの地域の内で顕著な存在であるばかりだけではなく、装飾古墳として、また九州には数少ない形象埴輪を有する特色ある古墳として極めて重要である。なお、装飾文様は現在泥土が付着しているが、遺存状況は非常に良好なものと認められる。この文様には、本古墳と平野をへだてた日の岡古墳等の文様と同じ系統に属する面がみられ、装飾古墳の研究上、貴重な古墳と考えられる。

仙道古墳

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