木造地蔵菩薩立像(焼損)

彫刻 / 鎌倉

  • 鎌倉 / 1229
  • 1躯
  • 重文指定年月日:19860606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 寂光院
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 文治元年(一一八五)に建礼門院が隠棲したことで著名な寂光院の、本堂本尊である。江戸時代の地誌には、本尊八尺地蔵として存在が記されるが、それ以前の伝来は明らかにできない。
 像は肩幅の広い太造りな躰躯に、力強い衣文を刻み、堂々とした風格をあらわすことに成功している。その大把みな面のとり方や、やや角ばった下ぶくれの顔だちは、建長六年(一二五四)供養の奈良・福智院地蔵菩薩坐像などに共通するものがあり、製作は鎌倉時代中期の十三世紀半ばから後半頃と考えられる。近年の小修理時に、像内から多数の木造地蔵菩薩立像(像高一〇センチ内外)が発見されたが、その全容は未詳である。現在、本像の周壁に六万躰地蔵と呼びならわされている多数の小像が安置されるが、あるいはその一部も、もと本像に納入されていた可能性がある。
 檜材、寄木造、漆箔、彫眼。頭躰幹部は両躰側を通る線と正中線で四材を矧ぎ、内刳り。三道下に矧目がある。両躰側部に各前後二材を矧ぎ、袖、前膊、手首、足先等を矧ぐ。像表面の漆箔、持物等、及び光背、台座は後補である。

木造地蔵菩薩立像(焼損)

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