紫宸殿蒔絵硯箱 ししんでんまきえすずりばこ

工芸品 / 江戸

  • 江戸
  • 木製、やや長方形、被蓋造り、削面取りの硯箱で、身には中央に魚子地桜折枝浮彫りの銀製水滴と長方形の硯を嵌め、左右に懸子を納める。蓋表には黒漆地に肉合研出、高蒔絵、要所に切金、金貝針描をまじえて紫宸殿と左近の桜の図を描き、蓋裏には平目地に同手法にて紫宸殿と右近の橘を表す。削り面には沃懸地に蔦唐草を描き、金銀切金を散らす。蓋表の図は蓋側面から身の側面へと続く。懸子には平目地に高蒔絵にて右に桜の折枝、左に橘の折枝を表し、身の見込みには平目地に研出蒔絵で右に桜の折枝、左に橘の折枝を表す。
  • 縦22.9  横21.3  高4.7 (㎝)
  • 1合
  • 重文指定年月日:19780615
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 国宝・重要文化財(美術品)

紫宸殿庭前にある左近桜、右近橘を意匠とした硯箱。室町時代以来の伝統様式を受け継ぎ、さらに精緻さを加えたものである。伝統的様式の硯箱(重要文化財)はいくつかあるが、それらと共に本硯箱は江戸時代初期の精緻な技巧を示す代表作である。

紫宸殿蒔絵硯箱

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