金銅蓮華唐草文透彫華鬘
こんどうれんげからくさもんすかしぼりけまん
工芸品 / 鎌倉
- 滋賀県
-
鎌倉 / 1201-1300
- 銅製鍍金で、団扇形板に蓮華唐草文を彫り透かしたものである。
未開敷と開敷の二様の蓮華を中心に、円転する唐草の様子が全面に展開する。細部の表現は、表裏両面に蹴り彫りを主体に毛彫りを交えて、蓮弁や蔦、葉脈などを表現している。団扇形の外縁には縁厚の覆輪を廻らし、中央表裏には別造り打ち出しの総角を鋲止めしている。鐶座は猪目透かしのある花形を二段に表し、さらに菊座に小刻座を重ねて切子頭の鐶台を据えている。鐶台には長楕円形の茄子鐶を通している。下辺にには大小の笠付鈴と房形との二種類の垂飾金具を付している。①は鈴五個、房形二枚を完備し、②は鈴四個、房形二枚を垂下している。③は罹災による焼身のため本体を含む全体が変色しており、鈴一個のみ残存している。
- ①総縦45.4 本体縦29.2 本体横35.0(㎝)
②総縦45.0 本体縦29.2 本体横34.8(㎝)
③総縦40.0 本体縦29.2 本体横34.8(㎝)
- 3面
- 愛荘町立歴史文化博物館・滋賀県立琵琶湖文化館・東京国立博物館
- 重文指定年月日:20080710
国宝指定年月日:
登録年月日:
- 宗教法人金剛輪寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
仏堂の長押(なげし)などに懸け吊して荘厳する団扇形の華鬘である。銅製鍍金(ときん)で、一枚の地板から蓮華唐草文を透し彫りし、中央に半肉彫りに打ち出した総角(あげまき)を鋲留めしている。猪目(いのめ)透(すか)しの四葉形と菊花形を重ねた吊(つり)鐶座(かんざ)や下辺の鈴と房形の垂飾金具で装飾される。蓮華および蓮葉の変容する様が精緻な蹴(けり)彫(ぼ)りによって立体的に表現されている。鎌倉時代の華鬘の優品の一つである。