S50-1-018[[霊洞院]れいとういん]庭園.txt: 建仁寺の[[塔頭]たつちゅう]霊洞院の庭園である。書院の南面から東面にわたり汀線の屈曲の多い池を設け、書院南正面の対岸池畔に青石を立てて主人石とし、その前を横切って石橋が架けてあり、池中に亀石を置く。池の背後には低い築山をめぐらしその外側を植込みとし、山畔の要所に石塔・石灯籠・小祠などを配し園路を通じている。
霊洞院は広済禅師の塔所として室町時代初期に建てられ、天文年間に火災にあい、間もなく再建されたが、現在の方丈・書院等は嘉永6年(1853)に改築されたものである。本庭園は作庭の時期・作者等を詳らかにしないが、はやくから建仁寺中の名園として知られ、寛政11年(1799)刊行の「都林泉名勝図会」に載せられた絵図は現在の庭景とほとんど変わらず、遅くとも江戸時代中期の作と認められる。
地割は簡素ながら総体として均衡のとれた構成は、建築ともよく調和して優雅な庭相を伝えている。