美旗古墳群 みはたこふんぐん

史跡 古墳

  • 三重県
  • 名張市中村・新田・下小波田・上小波田
  • 指定年月日:19781017
    管理団体名:
  • 史跡名勝天然記念物

S52-12-035美旗古墳群.txt: 名張盆地の一部、美旗小盆地は身野あるいは美野ヶ原と呼ばれた原野であった。この3キロメートル四方ほどの小盆地に、前方後円墳を中心とする伊賀地方で最も大規模な古墳群である美旗古墳群が営まれている。
 本古墳群の最初の築造は、北東の台地縁にみられる全長88メートルの殿塚古墳で、その西南約300メートルには帆立貝式の全長100メートルの前方後円墳女良塚古墳が、整った周濠を具えて存在する。女良塚の西方約400メートルには、全長65メートルの前方後円墳毘沙門塚古墳があり、造り出しをもった墳形とこれをとりまく整美な周濠をみせている。毘沙門塚の南方約800メートルには、この古墳群最大の規模をもつ全長142メートルの馬塚古墳が整った墳形と周濠をみせている。馬塚の東には一辺約15メートルの方墳小塚古墳がある。馬塚の東南方約600メートルには全長55メートルの前方後円墳貴人塚古墳がある。幅約6メートルの浅い周濠をもち、出土品から6世紀初頭前後のものと考えられる。貴人塚より南方約1.5キロ小波田川を遡った右岸にある赤井塚古墳は、横穴式石室をもつ径約30メートルの円墳である。
 この美旗古墳群は、三重県下にあって前方後円墳を主体とする最も顕著な古墳群であるだけでなく、各々この古墳は規模雄大で各種の形態を示し、しかも首長層の墳墓として系譜的に継続して形成されたことが指摘される重要なものである。

美旗古墳群

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