石造狛犬(永正十八年銘) せきぞうこまいぬ

彫刻 石像 / 室町

  • 未詳
  • 福井県
  • 室町時代 / 1521
  • 石造
    阿形・吽形とも全容及び台座を含めて凝灰岩(越前青石・笏谷石)の1材より彫出する。
    阿形
    顔を少し左に向け、体部をわずかにひねって蹲る。両眼を開き、口をあけて上下歯列(磨滅により牙等は不明)と舌を表し咆哮する。顎下に巻毛を、後頭部にたて髪を2段に表し、中央を境に髪房先端の巻き方を反対にする。両前脚後方には蕨手状の毛1房が残り、両後脚には地付にそって巻毛1房が表される。後脚の間に雄の性器を表す。尾は中央に太く捻じれる房を立て、左右にやはり捻じれる小さな房をつくる。
    吽形
    阿形に準じる姿であるが、主として以下の点が異なる。顔を少し右に向ける。口は閉じ、両側に小さな牙を1本表す。両前脚後方には踵から上に重ねるように、小さな舌状毛、大きな舌状毛、先端が巻く蕨手状の毛を2房配している。
  • 法量(㎝) 阿形  総高66.7 像高62.5 頂-顎19.8 耳張18.2(現状) 面奥21.6 体幅22.1 体長45.3 後足開(外)21.7 台座幅21.1(現状最大)
    吽形 総高65.4 像高60.6 頂-顎17.8(現状) 
    耳張19.7(現状) 面奥21.9 体幅21.5 体長50.6
    前足開(外)17.9(内)5.6 後足開(外)23.6
    台座幅23.6 台座長52.1
  • 1対
  • 福井市中手町20―27
  • 福井県指定
    指定年月日:20170331
  • 宗教法人樺八幡神社
  • 有形文化財(美術工芸品)

本狛犬は、樺八幡神社の神殿内に安置される。樺八幡神社は、大野郡の小山庄に属した味美村にあり、味美村の惣社とされてきた。脚部に銘文が刻まれ、永正十八年(1521)二月廿七日の紀年があることから、この年に制作されたものと考えられる。現在知られている在銘作例中では、永正十二年(1515)の春日神社狛犬(あわら市沢)に次ぐことになる。また本作例は、神殿内におかれる狛犬として大型であるという特徴も持つ。

石造狛犬(永正十八年銘)

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