木造観音菩薩立像
もくぞうかんのんぼさつりゅうぞう
彫刻 木像 / 平安
- 愛知県
-
平安中期
- 木造(檜か)。一木造り。素地。彫眼。頭体幹部を一木から彫成。内刳りなし。後頭部と背面には木の節がある。光背(蓮弁形挙身光、木製、金箔)・台座(蓮華座、木製、金箔)・持物は後補。台座は本尊に比して小さく、いずれも江戸時代以降のものと思われる。
左手で未開敷蓮華の茎(後補)を握り、右手は掌を正面に向けて第一指と第二指を捻じ、蓮華座上に立つ。頭部は宝髻を結い、天冠台を着す。耳垂部環状、不貫。三道相をあらわす。顔は面長で、目は伏し目がちとし、概して穏やかな表情である。手首には腕釧を着け、金銅製の透かし彫りの宝冠を被り、金銅製の胸飾を着ける。上半身には斜めに条帛を着し、下半身には裳を履いて、腰布を巻く。両肩から天衣をまとい、両腕の内側から体側に沿って垂下させる。
- 本体像高 128.0cm
- 1躯
- 愛知県春日井市大泉寺町1028-4
- 春日井市指定
指定年月日:20190222
- 宗教法人退休寺
- 有形文化財(美術工芸品)
退休寺は、正保元年(1644)に尾張藩士小野沢五郎兵衛によって創建された浄土宗寺院で、本像は境内の観音堂の本尊として祀られている。本像造立に関わる資料は伝来しておらず、『東春日井郡誌』に「境内に観音堂あり、本尊を観世音とす」と記されるのみである。