石原町清水の獅子舞 いしはらまちきよみずのししまい

民俗 無形民俗文化財

  • 群馬県
  • 群馬県高崎市石原町1948
  • 高崎市指定
    指定年月日:20190213
  • 無形民俗文化財

平成30年3月現在、獅子舞は獅子役者3名(成人男性)、子役者のカンカチ・大黒・花笠がそれぞれ3名ずついる。最年少は5歳の花笠、最年長は82歳の笛吹きである。昨今の練習は、春稽古が3月下旬の8日間、小祝神社の春祭り前の2日間、秋稽古が10月下旬の5日間などであり、笛の練習は年間を通して毎週火曜日の夜に清水公民館で行なっている。清水の獅子舞は、小祝神社の祭礼に奉納するために伝えられてきたものであるが、現在は町内の行事である敬老会や文化祭、高崎市伝統民俗芸の祭り、公民館の落成記念、小祝神社の春祭りの奉納などで披露される。なお、平成29年の保存会の会員数は42名、平成30年度は38名となっている。
獅子舞は一人立三頭獅子舞である。舞の流派は稲荷流と伝わる。獅子頭は前獅子(雄獅子)・中獅子(女獅子)・後獅子(雄獅子)であり、獅子を舞う獅子役者は成人男性である。獅子舞にはカンカチ(天狗とも呼ぶ)、大黒、花笠も出る。これらは幼稚園児から小学校6年生までの男女の子役者が担当する。その他、笛15名、歌係数名、法螺貝、提灯持ち、旗持ちなどで構成される。
獅子頭は、前獅子が黒、中獅子が金で頭上に金の宝珠、後獅子が赤である。カンカチは赤い着物の上に黄色のタスキを掛け、鳥兜を被り鉄のカンカチを持つ。花笠は紋付袴を着用し、「きよみず」と書かれた提灯を持つ。大黒は赤い袴と着物を着て大黒帽子を被り、小槌と枡、軍配を持って舞う。演目によっては鈴や大幣に持ち替えて舞う。
石原町清水の獅子舞は、「笛鳴らずして獅子踊らず」と言われ、笛の音が獅子舞を先導する。演目は大幣(おおへい)の舞、まりの舞、花吸いの舞、弓の舞、志ん切りの舞、三つ上げの舞、剣の舞、綱切りの舞、女獅子がくしの舞、御神楽の舞、庭の道拍子の11種類である。
この中で1頭の雄獅子が大幣と鈴を鳴らし、庭(獅子の舞う場)の四方を清める「御神楽(おかぐら)の舞」は極めて特徴的な獅子舞である。幣束(へいそく)を持ち笛を鳴らしながら舞う獅子神楽であり、高崎市域の中でも特徴的な舞といえる。また、悪魔払いで一軒ずつ家をめぐる門付けをしていた歴史もあることから他地域との類似性が窺える。

石原町清水の獅子舞

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