金銅密教法具 こんどうみっきょうほうぐ

工芸品 金工 / 鎌倉 南北朝 室町

  • 千葉県
  • 鎌倉~室町
  •  銅製鍍金の密教法具類で、五鈷鈴、五鈷杵、金剛盤、花瓶、四橛などは、重厚かつ堅実な造形で、鋳上りもよく、精緻に仕上げられた鎌倉時代後期製作の優品である。また、独鈷杵、輪宝と輪宝台、羯磨と羯磨台等は、総体に大人しく、やや形式的な造作が感じられ、鎌倉末期から室町時代にかけての過渡的な様相を呈している。
     これらのうち、金剛盤の裏面には「金澤寺 審海」の銘があり、蓮華台、花瓶等の裏面または台脚裏には、「金澤 審海」の銘がそれぞれ線刻されている。
  • (五鈷鈴)総高二二・〇 把長一・七
       鈴身高九・三 鈴身口径六・八 重量一七四六グラム
    (五鈷杵)総長一九・五 把長六・九 把厚三・六 重量七四九グラム
    (金剛盤)横径二七・三 縦径一九・七 高四・一 縁高一・〇
     重量一二二五グラム
        以下略
  • 20点
  • 千葉県館山市館山351-2城山公園内
  • 重文指定年月日:20230627
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 宗教法人小網寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 銅製鍍金の密教法具類で、五鈷鈴、五鈷杵、金剛盤、花瓶、四橛などは、重厚かつ堅実な造形で、鋳上りもよく、精緻に仕上げられた鎌倉時代後期製作の優品である。また、独鈷杵、輪宝と輪宝台、羯磨と羯磨台等は、総体に大人しく、やや形式的な造作が感じられ、鎌倉末期から室町時代にかけての過渡的な様相を呈している。
 これらのうち、金剛盤の裏面には「金澤寺 審海」の銘があり、蓮華台、花瓶等の裏面または台脚裏には、「金澤 審海」の銘がそれぞれ線刻されている。金沢・称名寺の開山で、鎌倉時代半ばから後期に活躍した律宗系高僧の妙性房審海(一二二九~一三〇四)に関連する遺品であることがうかがわれる。
 安房における密教道場として、鎌倉時代には大規模な伽藍が整備され、中世において隆盛した仏教寺院である小網寺に伝来した法具類で、壇具の一具として後世に組み合わされた可能性が考えられる。鎌倉時代製作の遺品を含む中世の密教法具の貴重な資料である。

金銅密教法具

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