絵画 / 鎌倉
十王に裁かれた後、六道に転生した衆生を地蔵菩薩が救済する様子を一幅のうちに表現した作例である。画面構成の範(はん)は中国宋~元時代の作例にあると考えられるが、十王の服制(ふくせい)にはより古様な形式を取り入れるなど、全体の図様には独自性が強い。地蔵の静かで慎ましい顔立ちや、着衣等にみる細緻な截金(きりかね)文様、穏やかな自然描写から、鎌倉時代後期の作とみられる。我が国では一画面に地蔵と十王をあらわす作例は数少なく、本作はその中でも古い例として貴重である。
絹本著色釈迦三尊像
絹本著色天台三祖師像
絹本著色 地蔵十王図
未詳