五霊神社の林は、規模こそ約2,300㎡と小さいが、住宅密集地の中にあってひときわ緑が映え、遠くからもそのこんもりとした姿をはっきりと確認できる。タブノキの大木が中心で、スダジイ、アラカシ、シロダモ、ヤブツバキなどの自然生の常緑広葉樹のほか、ケヤキやイヌマキの高木も生育している。林内が児童園地として利用されていることから人の出入りも多く、そのため林床植物の生育は貧弱で、根元が露出している木も少なくないが、樹勢は良好である。
また、この林の中にそびえるイチョウは、樹齢400~500年と推定され、樹高約25m、胸高直径1.3mに達する大木である。
自然植生の林は、特に都市部において消滅が著しく、今日その姿はわずかしか残っていない。この林は貴重な郷土の森である。