実叉難陀(六五二~七一〇)が翻訳した八十巻本『大方広仏華厳経』を紺紙に銀泥で書写した高麗写経。金泥で引いた界線の上下の余白を広くとる、紙背に「周二十五(紙数)卜」と紙数を「卜」と表記する、表紙に金銀泥で宝相華唐草文を描き、外題を中央に金字でしたためる、など高麗写経の典型的特色を有する。字姿や一重の界線であることから、十三から十四世紀初頭の書写と考えられる。
大方広仏華厳経 巻第三十六
大方広仏華厳経巻第五十八(元興寺尼経)
紫紙金字華厳経巻第六十三