如来坐像 にょらいざぞう

彫刻

  • 平安時代 12世紀
  • 木造、漆箔(現状素地)
  • 像高137.0 髪際高117.0 膝張112.5 膝奥89.0
  • 1軀

半丈六の大きさをほこる如来坐像である。頭・体幹部は両耳後方を通る線で前後に矧ぐが、前面部は縦一材から彫成する。両手首先及び背面の大半は近代以降の後補となるが、前面部は当初部分をよく残す。また後頭部及び両脚部は同時期12世紀の別作例のものを矧ぎ付けるが、ほとんど違和感はない。大きくて丸い頭部、細長い目、短い鼻、小さな口で構成される穏やかな表情、充実した張りとボリュームを示す胸部の肉体表現、整然と流れる衣文表現など、平安時代後期木彫仏の特徴が顕著である。衣文の隆起はやや強く、自在に流れており、定朝様作品の浅く平行に整えられたものとは異なる作風がみられることから、制作時期は定朝様から展開した12世紀と考えられる。

如来坐像

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