7月14日の土・日、八坂神社において行われる夏祭りは「天王祭」の名で親しまれている。江の島の「天王様」と、対岸の腰越の「天王様」は夫婦神様だといわれ、江の島が男とされているが、いずれも「須佐之男命(スサノオノミコト)」を祀っている。
この祭りの特徴は、大海士(大モグリ)とよばれる裸潜水漁労者が、祭りの重要な担い手になっていることである。それは、この神社の御神体を海中から引き上げる時、東町のモグリ(大海士)18人によったという故事に由来している。
宵宮、神幸祭(しんこうさい)と囃子(江の島囃子)の行列、神輿の海上渡御(かいじょうとぎょ)などが見所である。
ここの祭囃子は江戸時代から知られる特異なもので、チャルメラ、三味線、銅羅、柄太鼓(えだいこ)、小太鼓が加わる。西町、東町の2組に分かれ、屋根を杉葉でふいた底ぬけ屋台に締太鼓(しめだいこ)を3個乗せて並べ打ちしながら島内の坂道をねり歩く。