鉄宝塔〈(水晶五輪塔共)/〉 てつほうとう〈(すいしょうごりんとうとも)〉

工芸品 / 鎌倉

  • 鎌倉 / 1197
  • (鉄宝塔)鋳鉄製。総体は五輪塔に近い形態で、水輪に相当する部分を胴張りする。円筒状の龕となし、舎利を納入する水晶五輪塔を奉安する。風空両輪に相当する部分には寛文年間の修理銘がある相輪を挙げているが、基壇の銘文に「多宝十三輪鐵塔」とあるように、本来の様相に従ったものと推定される。現在龕の扉、総輪の隅棟飾鎖、風鐸等を逸している基壇の四方には、金剛界四仏の種子を中央に銘文が鋳出され、当寺の四至、諸堂建立の意趣、壇越ならびに鋳工の氏名などが詳細に記される。

    (水晶五輪塔)水晶製。地水輪と火風輪の二つの部分より成り、舎利は水輪内に納置される。火輪の三角錐状を呈することは著しい。これは重源関係遺品に多く見るところである。空輪のほとんど球状を呈すところは注目される。
  • 鉄宝塔 高160.6 屋根張96.3 (㎝)
    水晶五輪塔 高13.9 地輪方4.5~4.7 (㎝)
  • 1基
  • 重文指定年月日:19020731
    国宝指定年月日:19540320
    登録年月日:
  • 阿弥陀寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

本塔は金工史上の優作であり、当時の鋳造技術を駆使して造られており、鋳銅とは異なる鋳鉄の困難を克服した様子がうかがえる。
兵火で罹災した東大寺再建に尽力した重源の本願によることが銘文に記され、歴史的意義も極めて深い。

鉄宝塔〈(水晶五輪塔共)/〉

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