蝶螺鈿蒔絵手箱 ちょうらでんまきえてばこ

工芸品 / 鎌倉

  • 京都府
  • 鎌倉
  • 口縁に錫の置口を廻らした合口造の箱。ゆるやかな甲盛り、胴張りがあり、身の長側面には調形の金銅紐金物を打つ。内に懸子を納める。前面に牡丹唐草と蝶を配し、蝶の羽根には三つ巴、小花、小円、渦文などを表す。黒漆地に平目粉を巻き、金研出蒔絵で牡丹唐草を表し、さらに大形の牡丹花と蝶は螺鈿と銀平文とを嵌装して表す。螺鈿のtひょうと牡丹花はほとんどが精緻な切透かし法により、その部分に蒔絵を施す。
    蓋裏と懸子のまわりには梨子地に研出蒔絵で群舞する蝶を描く。身と懸子の内面に青地牡丹文緞子を貼る。
  • 縦26.4 横35.1 高21.2 (㎝)
  • 1合
  • 京都府京都市東山区茶屋町527
  • 重文指定年月日:19310119
    国宝指定年月日:19570219
    登録年月日:
  • 公益財団法人荏原畠山記念文化財団
  • 国宝・重要文化財(美術品)

金研出蒔絵、螺鈿、銀平文の三種類の技法を用い、蝶文を表した手箱である。蒔絵の金色、螺鈿の白色、平文の銀色で色彩的な印象を強め、鎌倉時代の作例にみられる力強さも顕著である。大型の器形や精緻な技法と共に、鎌倉時代の特色を如実に示す、同時代の代表作である。

蝶螺鈿蒔絵手箱

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