梅蒔絵手箱 うめまきえてばこ

工芸品 / 鎌倉

  • 鎌倉
  • 錫の置口を付けた合口造りの箱で、身に金銅製花菱亀甲形の紐金物を打ち、内に二重の懸子を納める。外部は金沃懸地に研出、付描、高蒔絵の技法をもって庭園の情景を描き、一重の梅花および「栄、伝、錦、帳、雁、行」の文字を銀平文とする。蓋裏および懸子には、梨地に研出蒔絵にて池畔の景を表す。鏡箱、歯黒箱、白粉箱、薫物箱などの小箱類も手箱とほぼ同じ様式の蒔絵になる。
  • 縦25.8 横34.5 高19.7 (㎝)
  • 1具
  • 重文指定年月日:19000407
    国宝指定年月日:19521122
    登録年月日:
  • 三嶋大社
  • 国宝・重要文化財(美術品)

蓋表に梅樹、几帳と共に表された文字は、白楽天の『白氏文集』所載の一説から引用したもので、その歌意に取材した歌絵となっている。鎌倉時代前期の蒔絵に比べると金粉の種類も多く、各種の技法を駆使した高度な蒔絵技術が認められる。
図様よく整い、蒔絵の精妙な優作であると共に、化粧具としての内容品を具える最も古い手箱の遺品としても貴重である。

梅蒔絵手箱

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