工芸品
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新羅 / 833
- 鋳銅製。いわゆる朝鮮鐘の形状になり、竜頭、旗挿、肩帯、口帯、乳郭を具え、肩帯に接して銘郭一区、胴に撞座二個、飛天二体を鋳出す。竜頭は笠上の珠を噛む竜頭と、頭部および左右に肘を張る前肢よりなるが、頭部は上半平滑となり、また両肢先は折損欠失する。旗挿の孔は下に貫通する。
肩帯、口帯は同文で、三区一連の海磯文様とし、四カ所の乳郭は九個の乳を連続草花文帯で囲んでいる。乳郭間の一カ所を銘区にあて、細字をもって銘文を陽鋳し、下方に複弁八葉の撞座を置き、撞座と飛天二体を交互に胴の四周に配している。飛天は二体とも同じ形で、手を左右に広げ鞨鼓を打とうとする姿を表す。
- 高111.5 口径66.7 口厚6.0 (㎝)
- 1口
- 重文指定年月日:19000407
国宝指定年月日:19521122
登録年月日:
- 常宮神社
- 国宝・重要文化財(美術品)
現存する朝鮮鐘のうち、新羅時代の在銘鐘は極めて少なく、わが国では本鐘と、大分県宇佐神宮の重要文化財が知られる。銘文によると太和七年に菁州蓮池寺の鐘として造られたものである。文様は古様を示す珍しいものであり、渡来品では最も大形な鐘の一つである。
社伝によると慶長二年に大谷吉隆が豊臣秀吉の命をうけて奉納したという。