金銅能作生塔 こんどうのうさしょうとう

工芸品 / 鎌倉

  • 東京都
  • 鎌倉
  • 総体に水瓶形を呈し、いわゆる納作生玉を納める胴部を主体とし、これを台座に据え、頂部には蓮華座上に宝珠を安じた特異な形態をなす。頂部は三方火焔付宝珠を三段葺の蓮弁を有す蓮肉上に安じ、其の下に稍大きく華盤様の飾りを付す。蓋にあたる部分の表面上部には菊座を付し、蓮弁、蕊を線刻し、その外周に蓮華唐草文を廻らす。地を魚々子地とし、鍍銀を施す。頸部の中央には二重の紐飾りを施し、連珠文帯をつけ、花座と菊縁大座の二重座をつくる。胴部は中央で身と蓋に分かれ、蝶番によって開閉できるように作られる。蓋の周縁には紐飾を施し、身に被蓋様にかかる。蓋および身の表面には蓮華唐草文を線刻し、地を魚々子地となし鍍銀を施す。これを二区切付の仰蓮で受け、軸のもとを連珠文帯の根巻をつけた台座のほぞ孔に差す。台座は低い脚を有し、その上六方入角の丸框二段、胡桃形反花、蕊、刻文のない六方入角の丸框、二辺切付の反花形、連珠文を付した受け座などから成っている。南框座の側面には鍍銀を施し、透彫の飾金具を付している。
  • 総高26.5 台座径10.7 (㎝)
  • 1基
  • 東京国立博物館 東京都台東区上野公園13-9
  • 重文指定年月日:19090921
    国宝指定年月日:19550202
    登録年月日:
  • 長福寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

宝瓶に仏舎利を納めるのは一般的に行われることであるが、本塔のように積み重ねの各部分に変化を与え、それが統一した構成になっていることは、まさに納作生珠の容器として相応しい表現である。また、その精緻端整な意匠や技法は鎌倉時代の金工技術の発展と特色をみせる。

金銅能作生塔

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