霊山寺本堂 りょうせんじほんどう

建造物 宗教建築 / 鎌倉

  • 奈良県
  • 鎌倉後期 / 1283
  • 桁行五間、梁間六間、一重、入母屋造、向拝一間、本瓦葺
  • 1棟
  • 奈良県奈良市中町
  • 重文指定年月日:19040218
    国宝指定年月日:19531114
  • 霊山寺
  • 国宝

霊山寺本堂 一棟

 霊山寺は聖武天皇の勅願によって行基(六六八~七四九)の創立するところという。本堂については弘安六年(一二八三)十一月四日棟上の記のある棟札によって、建立年代を知ることができる。以後たびたびの修理を経て今日に及んでいる。
 堂は桁行五間、梁間六間、向拝一間付の規模をもち、屋根を入母屋造とし、内部を内外陣に分かつなど、建立年代及び密教本堂としての構成は、所在地も近い長弓寺本堂(国宝)と近似している。ただし、その意匠においては、かなりの相違を示している。すなわち、組物は尾垂木付二手先で、中備は間斗束だけとしているが、全体ににぎやかな軒裏を構成している。ことに向拝の複雑な組物と菱及び輪違文の支輪は華麗の趣がある。そのほか開口部には板扉のほか蔀戸を多く用い、内部を内外陣とも折上小組格天井とするなども、手法の相違点である。長弓寺と並んで、鎌倉時代和様仏堂の優作として価値が高い。

【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)

霊山寺本堂

ページトップへ