絵画 / 江戸
本図は、鯛・鯖・かます・ひしこ等、海魚の游泳する生態を描いた珍しい作品で、渡辺崋山【わたなべかざん】(一七九三/寛政五年-一八四一/天保十二年)一流の、写実的でかつ軽妙な筆致に、彩色の付立てを活かした、生彩あふれる作品に仕上けている。田原幽居中の崋山が椿山に与えた書簡により、本図が崋山最晩年に近い天保十一年(一八四〇)、四十八歳の製作になることがわかる。在所蟄居中の崋山が公儀をはばかって天保十年の厄に遭う以前の干支【えと】を用いた場合が多く、本図中にみられる年記もこの例にもれない。
絹本著色佐藤一斎像〈渡辺華山筆/〉
渡辺華山
絹本著色久能山真景図〈椿椿山筆/〉
椿椿山
紙本著色山海奇賞図〈椿椿山筆/〉