絵画 / 鎌倉
聖一国師像には、文永元年自賛像(天授庵)、弘安二年自賛(万寿寺)の寿像と明兆筆の二幅(東福寺)がその善本として知られている。本図は、弘安三年五月、歿する五か月前、病中に門弟本智房正堂俊顕【ほんちぼうしようどうしゆんけん】のために著賛し付与したもので、現存する聖一国師像のうちおそらく最後の自賛頂相として重要な一本というばかりでなく、初期頂相の中にあっても出色のものである。なお本図は、普門院常住什物目録に「開山御影一幅俊顕院主本」と記されるごとく、そのまま同寺に伝わったものである。
絹本著色聖一国師像
木造仏通禅師坐像
絹本著色無為昭元像