彫刻 / 鎌倉
東福寺第九世癡兀大慧【ちこつだいえ】(一二二八~一三一一)の頂相である。禅師の画像としては京都願成寺本(寿像)、同東福寺本(四十祖像の一、明兆筆)などが知られているが、本像はめずらしい彫像の作例である。画像と同様、曲〓に坐る頂相に共通する姿で、骨格のたくましい堂々たる体躯、眉を寄せ、強い眼光で前方を凝視する相貌には禅師の個性がみなぎっており、その適格な象形は、いわゆる頂相彫刻の中でも出色のものである。正和元年(一三一一)禅師の歿後あまりへだたらない頃の造像と考えられる。
絹本著色大覚禅師像〈/経行像〉
絹本著色聖一国師像
絹本著色無為昭元像