絵画 / 鎌倉
大覚禅師は、名を道隆、号を蘭溪といい、寛元四年(一二四六)三十四歳でわが国に来朝した。博多の円覚寺、京都泉涌寺来迎院に寓した後、北条時頼に迎えられて鎌倉へ移り、建長寺の開山となった。大覚禅師の頂相は国宝を始め、すでに指定されているものが幾つかあるが、本図は、禅師が日常歩行する姿を描いた経行像【きんひんぞう】で、頂相としては異色ある作品である。筆線はおだやかで、相貌の特色をよくとらえ、禅師の悠揚せまらざる姿をよく写し得ている。描写よりみて鎌倉時代末期、禅師没後の製作と考えられる。
木造仏通禅師坐像
金剛般若経〈蘭渓道隆筆/〉
蘭渓道隆
仏説四十二章経