紙本金地著色南蛮人渡来図〈/六曲屏風〉

絵画 / 安土・桃山

  • 桃山
  • 一双
  • 重文指定年月日:19950615
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 南蛮人の来航を描く屏風絵の遺品は六十余点が知られているが、これらは景観内容の上から、三種類に分類される。第一類型は、左隻に日本の港に入津する南蛮船と荷揚げの様子を、右隻に南蛮人の行列とキリスト教館とを描く。第二類型は、左隻に異国の港とそこから出帆する南蛮船を描き、右隻には第一類型の左右隻を一図にまとめた図様を配する。第三類型は、右隻が第二類型と同様で、左隻に南蛮人の会合や調馬など、南蛮船の表されない情景を描くものである。
 第一類型に属する作品は宮内庁本をはじめとして最も多数を占めるが、本図はそのなかでも最も優れた作品として定評を得ている。
 右隻の画面上方に描かれたキリスト教館では、フランシスコ会の托鉢修道士への接吻礼、祭壇の前で胸に十字を切る信者、格子をはさんだ告解【こくかい】の場面など、キリスト教の習俗が豊富に展開する。
 特筆されるのは、顔料と金箔が上質で、極めて発色がよいことで、ことに群青が美しい。
 本図は、その細部手法から狩野派の作品といわれてきたが、筆者を特定するには至っていない。慶長五年(一六〇〇)以前の作と伝えられる小林本(重要文化財)と図様構成が近似し、その表現の気宇が大きく、制作時期は慶長年間を下らないと推測される。

紙本金地著色南蛮人渡来図〈/六曲屏風〉

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