短刀〈銘高市□住金吾藤貞吉/□亨〈二二〉年〈甲/子〉十月十八日〉(名物桑山保昌)
たんとう〈めいたかいちしかくじゅうきんごとうさだよし/□こうよねんきのえねじゅうがつじゅうはちひ〉(めいぶつくわやまほうしょう)
工芸品 / 鎌倉
- 高市□住金吾藤貞吉
- 鎌倉/1324
- 平造、三つ棟、重ね厚く、反つかず頑丈な造込みである。鍛柾目肌よく整い、地沸よくつき、僅かに竪割れごころがある。刃文湾れ鎺元の方互の目交じり、ほつれかかり、上の方に次第に沸つよく金筋しきりに入り、物打止。特に焼幅が広くなる。帽子盛んに掃きかけ沸つき焼詰める。彫物表素剣、裏菖蒲樋、表裏鏨特に深く強し。
茎生ぶ、先切、鑢目檜垣目釘孔二、銘は少しく研磨りあるいは朽込みがあるが、表鎬下から中央に銘、裏に紀年銘がある。 - 身長25.7 反りなし 元幅2.5 茎10.5 (㎝)
- 1口
- 重文指定年月日:19310119
国宝指定年月日:19550202
登録年月日: - 個人
- 国宝・重要文化財(美術品)
大和保昌派は高市郡に住し、鎌倉時代中期の国光に始まる。その子が貞吉で、貞吉の作には、居住地、制作年を記したものが数口ある。本短刀も同様に銘があり、保昌派の典型といえる柾目肌が整然と現れる。また、元から先へ焼幅が広くなり、沸が強く激しさを増す景色が見事である。
『享保名物帳』所載、桑山伊賀守元晴が所持していたことから「桑山保昌」の号がある。前田家伝来。