梵鐘 ぼんしょう

工芸品 / 奈良

  • 奈良県
  • 奈良
  • 鋳銅製。極めて大形の鐘で、高さに対して口径が著しく大きく、そのたの箇所も大形に造られる。
    鐘身の形は緩やかな曲線で強く広がり、横帯より垂直に下る。竜頭は口を大きく開いて笠形を噛み、額に二本の角をつけ、顎に渦文を飾り、頸に宝珠をつける。上部には火焔を欠損するが、蓮華座にのる宝珠を奥。笠形は上面に二条の紐を廻らせて三区に分け、周縁には掛金具座6個を鋳出す。
    上下帯は素文。横帯の主線は五条の紐を幅広く廻らし、乳の間と池の間のあいだは縦帯を通して幅広い五条の紐を廻らす。乳は各区に四段九列に配置して総数144個を付す。乳の形は宝珠形で頸部がくびれ、妙心寺鐘や観世音寺鐘と共通する。駒の爪は大きく、出は浅い。撞座は八葉複弁の蓮華文を表し、竜頭の花先と直角に交叉する位置に据える。
  • 総高386.0 口径276.6 口厚24.2 (㎝)
  • 1口
  • 奈良県奈良市雑司町406-1
  • 重文指定年月日:19310119
    国宝指定年月日:19510609
    登録年月日:
  • 東大寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

本鐘は、東大寺大仏開眼供養に際して鋳造されたもので、『南都七大寺巡禮記』によると、大仏鋳造修了後の天平勝宝二年(750)正月より型を造り始め、翌年の十二月に鋳込むが不成功であったため、さらに翌四年正月八日より改めて造り、三月七日に竣工、四月八日の大仏開眼供養の前日に鐘楼に懸けられたということである。
本鐘の大きさは国内随一で、細部に至るまで勇大な趣の意匠である。

梵鐘

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