木造十一面観音立像 もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう

彫刻 / 平安

  • 平安
  • 1躯
  • 重文指定年月日:19700525
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 宝積院
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 頭上の十面と両手前、膊などを別材矧ぎとするほか、頂上仏から本躰・台座の蓮肉部までを含み、榧【かや】の一材から丸彫りし、素地仕上げとした、いわゆる檀像彫刻の一例である。
 檀像彫刻は唐時代の中国から伝わり、わが国でも平安時代に盛んにつくられて遺品も少なくないが、この像では特にプロポーションがよく整い、しかもふっくらとした肉付けを効果的に引きしめる胸や腹部のくびれ、太く深めに刻む衣褶などの鮮やかな彫り口が注目される。製作は十世紀初頭ごろと思われるが、当代のこの地方の豪放な作風とは異なり、中央の仏師の手になったものであろう。

木造十一面観音立像

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