金襴手花鳥文瓢形花生 きんらんでかちょうもんひさごがたはないけ

工芸品 / 

  • 白磁胎に透明性の白釉がかかり、底は削り込み無釉で赤く焦げている。器形は瓢形で、上胴は球形に近く、下胴はわずかに肩を張る。全体を八条の文様帯に区切り、赤を主に緑、青、黄、黒の色釉で文様を表す。金彩の使用は少なく、文様の輪郭や区分線の上に施す。口辺は無文の赤色帯をめぐらし、頸中央は白地に四稜形花文と瓔珞文、頸付け根は赤地に白抜きで宝相華唐草文を表し、一部を緑、黄で彩色する。三方に白抜きで円窓を配し、その中に果樹にとまる採りを描く。胴の中央くびれ部分は鋸歯形に区切り、上を四方襷文、下を瓔珞文とする。下胴は白地に赤で四方襷文を表し、四方に白抜きの円窓を配して、その中に竹に双鹿、牡丹に雉、松に蔓などの花鳥文を描く。胴裾には連弁文をめぐらす。
  • 高56.1 下胴径24.5 (㎝)
  • 1口
  • 重文指定年月日:19520329
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 個人
  • 国宝・重要文化財(美術品)

文様構成や意匠は金襴手通例のものであるが、金彩の使用が極めて少なく、一般に金彩の文様を施す円窓の部分に絵画的な花鳥文を描く点は異例である。また、トルコ青を用いている点も金襴手としては珍しい。本品は「大明嘉靖年製」の銘がある重要文化財金襴手花鳥文鉢も文様表現との共通点が見出され、嘉靖期の金襴手として貴重な遺例である。

金襴手花鳥文瓢形花生

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