秋野鹿蒔絵手箱 あきのしかまきえてばこ

工芸品 / 鎌倉

  • 鎌倉
  • 錫置口を付けた合口造りの手箱。萩花房透彫りの金堂鐶座を打ち、内に二重の懸子を具える。蓋甲の意匠は、流れに沿う土坡上に萩が乱れ咲く秋野の景で、周囲もほぼ同様の図様になる。技法は梨地に精巧な研出蒔絵に螺鈿を交えたもので、岩石、葉幹、鹿の背などに梨地を用いて色彩的な変化を出す。蓋裏と懸子には研出蒔絵で土坡に女郎花、笹竜胆、柳などが描かれる。
  • 縦22.7 横29.7 高16.1 (㎝)
  • 1合
  • 重文指定年月日:19020731
    国宝指定年月日:19520329
    登録年月日:
  • 出雲大社
  • 国宝・重要文化財(美術品)

総体に平安時代の作風を伝えて優雅繊麗の趣に満ちている。一方で、器形において蓋の甲盛が高く、胴が張り、図様が緻密となり、技法も又各種の粉蒔を施して変化の妙を尽くしているところに鎌倉時代の蒔絵の特色がうかがわれる。

秋野鹿蒔絵手箱

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