木造阿弥陀如来立像 もくぞうあみだにょらいりゅうぞう

彫刻 / 鎌倉

  • 鎌倉
  • 1躯
  • 重文指定年月日:19850606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 八葉蓮華寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 奈良との県境に近い生駒山中の八葉蓮華寺に本尊として祀られる来迎の阿弥陀如来像である。左足〓外側に「巧匠/〓【アン】阿弥陀佛」の墨書銘があり、仏師快慶の建仁三年(一二〇三)十一月法橋叙位以前の作と考えられる。和歌山・遍照光院の阿弥陀如来像など快慶の小ぶりの三尺像数例と像高がほぼ等しく、檜の一材から頭躰の主要部を木取りして前後に割矧ぎ、内刳りのうえ玉眼を嵌入し頭部を割離し、表面を漆箔上げとしている。X線透視撮影によって知られる、玉眼を嵌めるための内刳り部分を除いて頭部前面材を厚く刳り残す手法や、大小二巻の納入品を奉籠することは、快慶とその派の遺品に多く見るところである。
 衣の襞の構成は、建久五年(一一九四)の年記のある納入品(摺仏)が籠められていた京都・遣迎院の阿弥陀如来像(重文)に近く、顔や胸の若々しい肉取りや肩の張った幅広く厚みのある上躰のつくりも似通っているが、遣迎院像の肉付けや褶襞にみられたアクセントのつよい表現が、ここでは穏やかに整えられ、表情にきびしさが加わるとともに、細部にこだわらぬのびのびした表現がうかがえる。光背と台座は、一回り大きい像からの転用であるが、やはり鎌倉時代の作とみられる。

木造阿弥陀如来立像

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