工芸品 / 平安
- 京都府
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平安 / 875
- 竜頭が比較的大形で丈高く、写実味を帯び、二条の紐をもって圏線を現した笠形は著しく膨隆しちえる。胴の縦横の紐は幅広で低く、上帯下帯は無紋で、縦帯と共に広めにつくる。撞座は鉢弁で、蓮房に五顆の蓮子を置き、形状肉取りなど、時代の特徴を示すが、形は小さく不整で位置は低い。
- 高147.6 口径80.3 (㎝)
- 1口
- 京都府京都市右京区梅ヶ畑高雄町5
- 重文指定年月日:18971228
国宝指定年月日:19520329
登録年月日:
- 神護寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
総体に形姿が優れ、前代の様式を継承しつつも、部分的に竜頭、笠形、乳、駒の爪などには後代の梵鐘の先駆ともみられるものを胚胎している。銘文には、寺銘、発願者、壇越、紀年、冶工、詞および銘の選者、筆者、重量などを記し、鐘銘鋳稀に見るものである。冶工の志我部海継は、遺品にその名が記される鋳師の最初の確実な例である。
本鐘は、「三絶の鐘」と称して名高いものである。三絶とは、則ち銘文序を橘広相、菅原是善の選、藤原敏行の書という、当代一流の名家の手になることによる。