工芸品 / 鎌倉
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鎌倉
- 銅造鍍金。総体を燈籠状につくって内部に舎利壺を置き、屋蓋上部の宝珠は更に精緻な小舎利塔の形につくる。屋蓋は輪郭六弁の花形で、上面は同心の圏条をもって四区に分ける。中心には小舎利塔を置き、魚子地に雲龍蓮唐草などを精細に肉彫し、花先には蕨手を打ってこれに小さい瓔珞を垂下する。
軸部は柱をもって胴廻りを六間に分け、上部欄間は唐草、上下の長押の間を貫で二区に分ける。上は空けて吹玉の瓔珞を垂下し、窓の下部は短い束を立てて匂間をつくる。下方は各柱間に貴区、牡丹、龍、蓮などの繊細な透彫を嵌め、下方格狭間は内に獅子と牡丹を高肉で出し、地は透かしている。
下方の花形框の台は上段無文、下段格狭間内は魚子地に宝珠唐草文を表して下底は六脚を付してある。内部の舎利容器は瓶状で、上に小如来像を置き、さらに天蓋風に四脚のある蓋状のものをのせている。
- 総高37.0 胴高18.2 (㎝)
- 1基
- 重文指定年月日:19010802
国宝指定年月日:19531114
登録年月日:
- 西大寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
意匠秀抜、技巧は精緻で、舎利塔中の逸品といえる。鎌倉時代の彫金工芸の代表作である。