明通寺本堂 みょうつうじほんどう

建造物 宗教建築 / 鎌倉

  • 福井県
  • 鎌倉前期 / 1258
  • 桁行五間、梁間六間、一重、入母屋造、向拝一間、檜皮葺
  • 1棟
  • 福井県小浜市門前
  • 重文指定年月日:19010327
    国宝指定年月日:19531114
  • 明通寺
  • 国宝

明通寺本堂 一棟

 応安七年(一三七四)の奥書がある当寺所蔵の縁起(写)によれば、明通寺は大同元年(八〇六)に坂上田村麻呂の創建したところと伝える。本堂は正嘉二年(一二五八)棟上を行い、のち七年目の文永二年(一二六五)に供養をとげたという。
 桁行五間、梁間六間、実長ではほぼ正方形の堂である。その平面は梁間中央の柱筋の格子戸によって二分され、前を外陣、後を内陣としている。外陣では側廻り一間通りの床を低くしているが、これは類例の少ない手法である。内陣では来迎柱の位置を少し後にさげて、仏前を広めているのが、巧妙な手法として注目される。組物は和様出組で、中備としては外部正面に蟇股、そのほかは間斗束を入れるが、側廻り内部には組物の上部に板蟇股を挿入するなど、珍しい構造法がみられる。向拝、妻飾などに後世の改造があるが、そのほかは鎌倉時代の様式を示している。

【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)

明通寺本堂 みょうつうじほんどう

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