木造太郎天及二童子立像

彫刻 / 平安

  • 平安 / 1130
  • 3躯
  • 重文指定年月日:19700525
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 長安寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

三像とも榧の一木造り、中尊の像内のほぼ全面に墨書があって、大治五年(一一三〇)に製作されたこと、本像の本地が不動明王であることなどがわかる。中尊は髪を美豆良【みずら】に結った童子形で、左手で三葉の小枝を、右手に杖をとってやや右を向いて立ち、左脇侍は鬼形で体に裳を着けるほか何もまとわず、身構えるようなポーズをとり、右脇侍は中尊とほとんど同じ童子形につくる。他に例を見ない異色の組み合わせの三尊であり、ことに両脇侍は衿羯羅【こんがら】・制多迦【せいたか】二童子にその像容をなぞらえて製作されたものとみられ興味深い。表現には一種のどかな地方風も感じられるが、いずれも簡潔でおだやかなまとまりがあり、いかにもこのころの造像が首肯され、国東【くにさき】半島における神仏習合の生んだ独特の彫像といえる。

木造太郎天及二童子立像

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