九条袈裟〈田相黄山道文綾/条葉紺繻子地諸尊花鳥文刺繍〉 くじょうけさ〈でんそうきやまみちもんあや/じょうようこんしゅすじしょそんかちょうもんししゅう〉

工芸品 染織 /   

  • 京都府
  • 南宋末~明時代
  •  中央部が狭く、左右の丈が長い九条袈裟。田相部に黄地山道文綾(平地緯四枚綾文綾)を用い、それ以外の部分に、経五枚繻子地を用いる。
     竪条、横堤、角帖、紐座には、二十三体の諸尊像と飛天のほか、蓮華などの花文、孔雀や尾長鳥などの鳥文を編繡、平繡、鎖繡、纏繡、相良繡で表す。各像の面貌は、眉目を紺糸、鼻梁と口唇を薄紅糸で表し、欠失部分を朱で補筆する。肉身線を薄紅糸で表す。各像及び鳥の体部、花弁や蕾などの部分に綿を入れる。左から第三条目横堤に三星を線で結んだ星辰を表す。竪条と横堤の一部に縫い継ぎがや改変の跡がある。
     縁と環座は、紺繻子地に薄黄の平糸で雲文を綴じつける。雲文は、紙胎に金箔紙を置き、その上から撚糸を用いて編繡を施す。部分的に針目を省略して菱形に表した隙間から金箔紙がのぞく。
     紐座には浅葱紐(後補)を付し、環座には象牙の円形環を付す。
  • 縦136.7 横336.2  環径10.5  (㎝)
  • 1領
  • 京都府京都市東山区茶屋町527
  • 重文指定年月日:20130619
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 天授庵
  • 国宝・重要文化財(美術品)

黄山道文綾の上に、紺繻子を縫い合わせた九条袈裟。条葉には如来や天部などの諸尊像、花鳥や唐草、雲などの文様を編繡を主とした刺繡で表す。縁には、編繡による雲文を切付ける。編繡は、国内外共に遺例が極めて少なく、その中でも古い遺例として非常に貴重である。

九条袈裟〈田相黄山道文綾/条葉紺繻子地諸尊花鳥文刺繍〉

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